21世紀型能力が身につく
「次世代の授業」
アクティブ(Active:積極的)・ラーニング(Learning:学習する)とは、
一方向的な授業で知識を詰め込む個人学習ではなく、グループ学習を活用した体験型の学習スタイルです。
もともとはアメリカの大学教育改革に用いられ、日本でも2020年の大学入試改革にともない、
大学だけでなく小学校から高校まですべての教育機関でその導入が進んでいます。
「アクティブラーニング」の授業では、先生が教壇に立って一方向的に教えるのではなく、
議論や意見交換、発表といった、より能動的な学びが取り入れているのが従来型の授業との違いです。
生徒と先生、あるいは生徒同士が議論し、
意見交換や発表を行うことで、双方向の”学び合い”が生まれます。
生徒自らが問題を発見し、考え、
ときに話し合いながら、
その解決方法を導きだしていく解決方法です。
まさに生徒が学びの主役となる学習法で、
「自らが学ぶ力」を養われることが期待されています。

なぜ今、アクティブ・ラーニングが
注目されるのか?
ここでなぜ今になって、
アクティブ・ラーニングが注目されてきたかというと、
理由は2つあります。
1:急速に進むグローバル化に対応する
これからグローバル化が進む日本は、変化が激しく、
常に、新しい未知の課題に試行錯誤しながらも対応することが求められる「知識基盤社会」になります。
単に、知識をいっぱい持ってるというだけでなく、その知識をどう使うのか?
いろんな人と共同してどうやって解決するか?という能力が求められてきます。
とくに、背景の異なる他者との協働や
課題を発見し解決する能力の重要性が高まっています。
「知識基盤社会」では、情報は日々更新され、どんどん新しくなっていきます。
変化の激しい社会で、自ら動き、自分で知識を得て学ぶことができる人材が求められるようになります。
「学び方を学ぶ」ことも出来るアクティブ・ラーニングは非常に効果的です。
2:文部科学省の動向
2020年(2021年度入試)から“大学入試が大きく変わる”と言われています。
2021年度入試というと、現在(2016年)の中学2年生が現役で大学を受験する時です。
すぐ目の前に大学入試改革が迫っているのです。(東京オリンピックの年ですから今から4年後です)
大学入試がどう変わるのかを少し見てみましょう。
ポイントは3つ。
- 現状の大学入試センター試験が廃止され、「高等学校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」の2つの試験が導入されることです。
- その大学入学希望者学力評価テストで試される力は、主に「思考力・判断力・表現力」になることです。
- 大学個別の選抜においては「主体性・多様性・協働性」などを試せるように、多面的・総合的な評価を行うようになるということです。
※大学入試改革の内容について、もっと詳しく知りたい方は文部科学省の「高大接続システム改革会議」をご覧ください。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/index.htm
今後ますます「知識基盤社会」に適応する能力が求められているのに、
日本の子どもは、
- 思考力・判断力・表現力に課題がある。
- 読解力の成績分布の分散が拡大している。
- 学習意欲・学習習慣・生活習慣に課題がある。
- 自信の欠如,将来への不安,体力の低下などが見られる。
という結果が、国際的な学力調査で発表されました。
これに慌てた日本政府は、新しい学習指導要領として、
「確かな学力」
「豊かな心」
「健やかな体」
の育成を求め、小学校から大学まで、
アクティブ・ラーニングの教育法を導入するように指示しているのです。
※これらの必要とする能力を「21世紀型能力」「ジェネリックスキル」と呼びます。