私大はブランド価値なし?

誰でも大学に入れる時代

 

「私大バブル」と呼ばれた1990年大前半には、四年制大学に入学すことは、どこであっても困難を極め、世には浪人生があふれました。

 

文部科学省のホームページを見ると、大学の数も令和3年度で803校もあります。

過去の大学数を10年毎に表にしてみました。

 

国立大学 公立大学 私立大学 合計
1950年 70 26 105 201
1960年 72 33 140 245
1970年 75 33 274 382
1980年 93 34 319 446
1990年 96 39 372 507
2000年 99 72 478 649
2010年 86 95 597 778
2020年 86 94 615 795

 

ちなみに、1992年に205万人いた18歳人口は、今や120万人を切っており、さらに減少が続いています。

18歳人口も10年毎に見てみましょう。

 

18歳人口 大学進学率
1950年 170万人 7.9%
1960年 199万人 8.2%
1970年 194万人 17.1%
1980年 157万人 26.1%
1990年 200万人 24.6%
2000年 151万人 39.7%
2010年 121万人 50.9%
2020年 116万人 55.4%

 

お父さんお母さんが大学を目指していた1990年頃の大学進学率は24%です。ところが今や大学進学率は55%超え。当時の2倍以上が大学へ進学する時代です。18歳人口は約半数になっているのに。

 

18歳人口の半減と、大学数が1.5倍になったので、2017年には39%の大学が定員割れとなりました。中には定員充足率が20%以下の大学も複数存在します。

 

しかも、定員の半分未満しか入学者がいない私大は、私立大学等経営費補助金がカットされてしまうので、大学が倒産する時代になってきたのです。

 

大学歩留まり

 

合格者のうち、実際に入学してくる学生の割合を「歩留まり」と言います。この歩留まり率が低いほど、合格しても入学しない学生が多いことになります。

 

実際、2008年の立命館大学生命科学部では、新設学部ということもあり、280人の定員に対し、9298人が受験しました。結果、2957人が合格。でも、実際に入学したのは266人でした。

 

あの立命館がですよ。関関同立と呼ばれる立命館大学の一般入試での歩留まり率は8.9%程度です。つまり、私立大学の場合、合格しても入学する割合は、とても低いということになります。

 

もし、あなたが企業の人事を担当するのなら、国公立大はある意味ブランドです。国公立大なら学費の面も考えると入学する学生は多いと思いますが、私大だと、企業からの評価も低めだし、学費も考えると、学生も行きたいとは思わないかもしれません。

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