読解力を身に付ける3つの方法【後編】

【前回の続き】

 

みんな嫌いな物語!?

 

あなたも子どもの頃、

「物語は読むのは楽しいけど、問題になると難しいから嫌だ」と思っていませんでしたか?

 

  • 心情や性格の説明
  • 象徴的表現の具体化
  • 主題の説明などの問題

 

というのは、文章中の表現を利用するだけで回答が得られない場合があります。

「解釈」によって必要な要素を導き出さねばなりません。

 

例えば、「お母さんがいつも作ってくれるお弁当は何を象徴していますか?」という問題に対して、

文脈やお弁当の持つイメージから「お母さんの愛情」などと応える力が必要です。

 

場面や出来事、登場人物の言動など、文章中に明確に示されている手がかりを

「文脈から余すことなく拾う」という意識で「合理的な解釈」を導き出すことを考えましょう。

 

その合理的な解釈を導き出すために必要なのが論理的思考力です。

 

ステップ3

論理的思考力をどう養うか

 

よく「行間を読む」と言います。

これは、文章に直接表現されていない筆者の真意を読み取るという意味です。

 

しかし、それ以上に大事なのは文章に書かれている内容の相互関係を見抜く力です。

例えば、指示語の問題です。

 

「このような姿勢」とありますがどのような姿勢ですか。説明しなさい。

 

この問題は文章に書いていない内容を解釈するのではなく、

「このような」という表現と、この言葉が示す表現との関係性を見抜くことを求めています。

 

例えば、物語の心情を問う問題を考えます。

 

「友美は思わず手をたたきました」とありますがそれはなぜですか?

 

という問題があったとします。

この場合、最初のステップは文章中から友美が手を叩いたことのきっかけを探します。

それが「友美はピアノコンクールで自分が入選したことを知ったのでした」

 

といった表現だったら、そこから友美の心情を解釈することになりますが、

ここでは「嬉しかった」といった表現がイメージできればいいのです。

 

「行間を読む」というのは、

書いてある内容の相互関係を正しく読み取ることになります。

 

つまり「論理的思考」です。

 

論理とは、物事の筋道(理)を論ずることです。

誰にでも納得してもらえる考え方を述べることです。

 

例えば次の例文で

「水泳の得意な僕はプールの中ではクラスのヒーローだ。連日うだるような暑さが続いていて、パパもママもうんざりしている。しかし、僕はこの暑い夏が終わってほしくないと思っている。

 

「傍線部の理由を説明しなさい」という問題があれば、子どもは「水泳の得意な僕はプールの中ではクラスのヒーローだ」に着目します。なぜ、そこに注目するの?と聞くと「だって当たり前じゃないか」という答えが返ってきます。

 

この「当たり前じゃないか」を言葉で説明するのが「論理」です。

 

では、なぜ当たり前にできることが、

国語の問題になると出来なくなるのでしょう?

 

答えは単純。問題を丸呑みしようとしているからです。

小さくちぎってひとつづつ飲み込めばお腹に収まるのに、手順を踏まずいきなり丸呑みしようとするからです。

 

たとえば傍線部に「貴文はあのような態度を許せなかった」という表現があり、

それは「なぜですか」と理由を求められてるとします。

 

大人であればまず手順を踏みます。

 

まず「あのような態度」とはどのようなものだったか確認し、それから「なぜ」を考えます。

しかし、子どもは、こういった当たり前の手順を踏むことが苦手だったりします。

 

では、どうすれば論理的思考がトレーニング出来るのか?

 

実は、論理的思考ってロジカルシンキングと言って大人でも出来ない人が多いです。

まずは、日常会話からトレーニングをはじめましょう。

 

例えば「今日は学校でどんなことがあったの?」という抽象的な質問より、

「今日は学校でどんな楽しいことがあった?」「今日の給食は何がでた?一番美味しかった給食は何?」

などと具体的に聞くのです。

 

まずは「抽象的」か「具体的」かを考えることからはじめましょう。

論理的思考ができない子は質問や答えがすべて抽象的です。

 

ですので、具体的な質問や答えになるように掘り下げた質問をしてあげましょう。

また、「なぜ?」「どうして?」を使った質問も頻繁に使いましょう

 

そんな日頃の会話からロジカルシンキングを鍛えることが出来ます。

 

大人向けですが、「結論から言うクセ」を身に付けておくのもいいですね。

そのために「なぜなら…」を使うように心がけましょう。

「◯◯は▲▲です。なぜなら、◎◎だからです」

 

また、要点をまとめて先に言うのもいいでしょう。

「要点は3つあります。●と■と×です」

 

最後の2つは、ちょっと大人向けですが、

なれないうちは書くことからはじめるといいですよ。

 

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